「未来のイノベーターはどう育つか」と同時に「子どもの創造力スイッチ」という本も買っていた。これも何かの書評欄にあったもので、解説が面白そうだったので買ったような気がする。この本では、子供向けのワークショップの事例がこれでもかとくらい紹介されており、何か楽しげな印象を受けていた。
もう少し大きくなったら、こういうワークショップも良いのかなあと思い、ネットでも色々調べていた。そうすると、まあ今夏休みということもあり、色々なイベントが方々で開催されていることが分かった。
そんな中、昨日記事の中で紹介した「未来のイノベーターはどう育つか」を読んだのだが、
- 私が話を聞いた人たちはみな、遊びを仕向ける方法と、何で遊ばせるかが重要だと語った。またこれらの親や教育者が奨励する遊びには、はっきりしたパターンがあった。
- 彼らの意見はある一点で完全に一致している。おもちゃを減らすこと。与えるとすれば、創造力と発明を促すおもちゃにすること。
- LEGOで何かを作り上げるのも重要な経験だけど、もっとシンプルな物が最高のおもちゃになることもある。(その事例として挙げられているのは、スカーフだったり、段ボールだったりする。)
とのことで、子供の遊びにとって一番良いのは身の回りのもの、シンプルなものということは、多く人の共通認識のようだ。
振り返って思い起こすと、今日も、息子君は、ゴムひもの先にプラスチックの棒を括り付けて、それを私にもたせ、その棒を追いかけながら「まてまてー」とぐるぐる私の周りをまわっていたり、空のペットボトルに折り紙を切って作った紙吹雪を入れて、「きれいだねー」と言って振り回したりしていた。
うーん。やはり身近なもの、シンプルなものの方が良いのだろうなあ。
で、良く考えてみると、ワークショップってのは、道具と場所を大人の都合で用意されたもので、いわば、お仕着せなおもちゃのようなものだろう。おしゃれなワークショップになれば、誰かおしゃれな人、デザイナーとかがデザインした方向で進められていくのだろうし、企業が主催しているワークショップだったら、企業の都合のよいストーリーで進んでいくのであろう。そう考えると、ワークショップってまあ無理して参加するほどのものでもないなあという気がしてきた。
そんなことを考えながら、この「子どもの創造力スイッチ」を読むと、大人がかっこよくお膳立てしたように見えるワークショップの事例が多かったり、「地球規模での表現力、コミュニケーションを」とかふわふわした感じの意味の良く分からない言葉が多用されていたり、何か違和感を感じるようになった。CANVASという団体がこれだけのイベントをやりましたという自慢本にも見える。
別にワークショップに参加したからといって、悪いわけでもないし、子供はおそらくそれはそれで喜ぶので良いのだろうが、「子どもの創造力スイッチ」を少し真面目に読んで、きれいな言葉の裏に何となく大人のエゴが見え隠れするようなもやもや感を感じたので、思ったことをと文章にしてみた次第です。
子どもの創造力スイッチ! 遊びと学びのひみつ基地CANVASの実践
- 作者: 石戸奈々子
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2014/02/24
- メディア: 単行本
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